しゃがむと膝のうしろが痛い

今回は膝の痛みの中でも 「膝の後ろ」が痛い という症例をご紹介いたします。

≪患者さん≫
60代 女性 調理の仕事を週に2回 
≪状態≫
1週間前から特にきっかけとなったことはなく膝の後ろが痛くなってきた
具体的な症状としては
①膝の後ろからふくらはぎにかけての痛み
②立っているだけでも痛みがある
③歩くと痛みがあるので足を引きずってしまう
④30度ぐらいしか曲げられない

といった症状です。
原因がハッキリしないということでケガ以外が原因なのではないかと各種徒手検査や質問をさせていただきます。

原因不明でふくらはぎが痛いとなると考えなければいけないのは
〇深部静脈血栓症
〇静脈瘤
〇関節炎
などがあげられます。
見た目、血流の確認、関節全体が腫れあがっていないか、体温の確認などを行いそれから徒手検査を行っていきます。

今回は明らかな痛みが膝の後ろよりもふくらはぎの一番上の部分にあり、徒手検査の結果から筋肉の症状と判断してアプローチを行いました。

具体的な筋肉名は 「膝窩筋」です。

膝窩筋とは膝の後ろにありふくらはぎの一番上にある筋肉で膝の関節と近く半月板の動きと深く関係しています。
膝の曲げ伸ばしをする際に膝の半月板が膝窩筋によって引っ張られて動き膝のスムーズな屈伸運動を促しています。膝窩筋が機能不全を起こし半月板の動きがスムーズにいかないと半月板が傷ついてしまったり、変形性関節症の原因となるともいわれているので膝の屈伸にとってはとても大切な筋肉になります。今回はこの膝窩筋が機能不全になり膝の曲げ伸ばしの際に半月板がスムーズに動かなくなっていることにより引っ掛かりが生じて痛みが発生している状況でした。治療としては膝窩筋へのアプローチが重要となります。

治療
膝窩筋は膝の最深部にある筋肉なので指で触るには難しく神経も豊富な部分なため指でアプローチをするにはとても痛い筋肉になります。痛みを伴うと筋肉は緊張が取れにくく効果も出にくいので 今回は 「鍼」を用いた治療となります。
使用する鍼は 太さ0.24mm 長さ48mm を2本 そこに 5Hzの低周波を10分 というアプローチです。
鍼が身体に侵入する際はほとんど痛みを感じず 膝窩筋に触ったときにズーンと響く感覚やピクッと筋肉が瞬間的に動く感覚がある場合がありますが不快なものではないので患者さんも「効いてる感じ」とおっしゃっていました。そして低周波を流すと膝窩筋がピクッピクッと動く感覚が「気持ちいい」と感じられます。

治療後は痛みは7割ほど軽減してたっても痛みはなく 歩くときの痛みはなくすたすたと歩けるように。しゃがむと痛みは少しありますが治療前とは全く違うと喜んでおられました。

そのままで帰宅していただいてもいいのですが膝窩筋には少し持続的なアプローチが必要なので膝窩筋を圧迫するためのスポンジと包帯を用いて固定をさせていただきました。

膝の後ろが痛むという場合他にもいろいろと原因はありますが同じような症状の場合は膝窩筋の可能性がありますから越谷接骨院までご相談ください。